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AI導入の担当者がいない会社はどう進める? 外注しても社内に残る仕事

AIに詳しい社員がいない中小企業向けに、経営者・業務担当者・外部支援者の分担を解説。内製か外注かを決める前に、試作品の確認時間、業務ルールの決定、導入後の変更対応をどう確保するかが分かります。

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KEY TAKEAWAYS

この記事の要点

AI担当者がいなくても導入できますか?

構築や設定を外部に依頼する進め方があります。社内では、対象業務を決める人と、今の仕事を説明して試作品を確かめる人を決め、対応する時間を確保します。専任部署を先に作る必要はありません。

社長がAIを勉強して、すべて担当する必要がありますか?

すべてを担当する必要はありません。経営者は対象業務・予算・利用開始を判断し、現場の社員は手順や例外を説明します。技術的な構築は外部へ依頼するなど、役割ごとに分けられます。

外注すれば、社員の手はかからなくなりますか?

社内の業務ルールを決めることや、出来上がったものが仕事に合うかの確認は残ります。その時間を取れない場合は、対象を狭めるか、開始時期を調整する必要があります。

内製と外注は、どちらを選べばいいですか?

自社で変更したい範囲と、その担当者が学習・修正に使える時間で決めます。最初は構築を外注し、日々の操作や資料更新を社内で担当する分担も選択肢です。

AIに詳しい社員がいなくても、構築や設定を外部に依頼して導入を進める方法はあります。ただし、外部から届いた試作品を誰も確かめられないと、業務で使い始める判断ができません。

「AI担当者がいない」という悩みは、技術を扱える人がいないのか、業務を説明・確認する人の時間がないのかで、対応が変わります。足りない役割に応じて、外部への依頼や社内の業務分担を調整できます。

AIに詳しい人と、仕事を判断できる人は別です

たとえば、小売店が月次売上報告をAIで作る場面を考えます。以下は分担を説明するための想定例です。

外部の担当者は、売上データを読み込み、商品別の集計や報告文の下書きを作る仕組みを構築できます。一方で、「返品をどの月の売上に反映するか」「期間限定商品の数字を通常商品と比べてよいか」は、その店の集計ルールや販売方針によります。

ここを決める人がいないと、計算が動いても、報告書が正しいかを判断できません。現場の社員が現在の集計方法を説明し、決まっていない扱いは経営者が決めます。外部の担当者はその条件を仕組みに反映します。この分担なら、社員全員がAIの仕組みを学んでから着手する必要はありません。

IPAが解説するデジタルガバナンス・コード3.0でも、デジタル技術を使った経営変革を進める体制について、外部組織との協業を含めて定める考え方が示されています。以下は、その考え方を小規模なAI導入に当てはめた分担案です。

経営者は対象業務・予算・利用開始を判断し、社員は手順と例外の説明・試作品の確認、外部支援者は構築と引き継ぎを担う分担図 図:役職を増やすのではなく、既存の社員と外部支援者で担当する仕事を分けます。兼務する場合も、それぞれに対応する時間は必要です。

社長に集める判断と、社員に任せる確認を分ける

経営者が決めるのは、どの業務の負担を減らすか、いくらまで使うか、どの状態になったら利用を始めるかです。顧客対応や売上に影響する業務なら、どこまで自動で処理してよいかも判断します。

社員には、毎回の打ち合わせを取り次ぐだけでなく、実際の作業を説明して、出来上がった結果を確かめる役割を任せます。月次報告なら、元の数字と集計結果を照合できる人が適任です。AIに詳しくても、その報告書を普段扱わない人だけでは、業務上の誤りを見つけにくくなります。

たとえば社員に試作品を確認してもらい、「通常の売上は一致したが、返品の扱いが未決定だった」と経営者へ伝える形にします。社長が全件を確認する負担を抑えながら、方針の決定が必要な問題に対応できます。

社員一人が業務説明と確認を兼ねても構いません。ただし、通常業務に加えて担当するなら、打ち合わせと試作品の確認を勤務時間のどこに入れるかも決めます。「手が空いたら確認する」だけでは、利用開始の時期を見込めません。

外注を選ぶ前に、社内で使える時間を確かめる

内製と外注の違いは、最初に誰が作るかだけではありません。導入後に、誰が変更するかまで含めて選びます。

社員が自分で設定を変えながら使いたいなら、操作を学び、変更後に結果を確かめる時間が必要です。構築は外注し、社員は日々の操作と資料の更新を担当する形なら、引き継ぎ時にその操作ができることを確かめます。細かな設定変更も継続して外部に依頼したい場合は、対応範囲や費用を契約前に確認します。

選び方の目安は、次のとおりです。

  • 業務を説明し、試作品を確かめる時間は取れるが、構築する時間はないなら、構築の外注が候補になります。
  • 社員が改良を続けたい業務で、学習と修正の時間も取れるなら、研修を受けながら社内で作る方法が候補になります。
  • 確認する時間も取れないなら、対象業務を狭めるか、着手する時期を調整します。

月次報告の例なら、最初から集計・原因分析・次月の施策立案まで頼むと、社内で答えるべき質問も増えます。商品別の集計結果を確認できるところまでに絞り、数字の一致を確かめてから報告文へ進める方法もあります。

誰が確認しても正誤を判断できない内容を、外部への一括依頼で解消できるとは限りません。過去の正しい成果物がない場合は、まず必要な項目と正しい状態を決める作業から依頼するなど、契約する範囲を調整します。成果物ごとの条件は、AIの成果物の合格条件を決める記事でも説明しています。

完成後に困らないよう、変更を頼める相手を残す

月次報告が作れるようになっても、販売管理ソフトの出力形式が変われば、読み込み部分の修正が必要になることがあります。単価や商品区分の変更も、参照する資料や設定に影響します。

そのとき、社員が対応する範囲と外部へ依頼する範囲が分かれば、担当者不在のまま放置せずに済みます。導入時には、次の内容を受け取れるよう依頼します。

  • 社員が行う日々の操作と、業務資料の更新方法
  • エラーや集計の不一致が起きたときの連絡先
  • 外部に修正を依頼する条件と、追加費用の扱い
  • 利用を止める方法と、従来の仕事へ戻す手順

アカウントの契約者や管理者も、自社で把握できる状態にしておきます。担当社員が交代するときに、ログインも設定も分からない状態になると、別の人や別の支援先へ引き継ぎにくくなるためです。

担当者の休暇や退職に備え、通常の操作を代わりに行う人も決めておきます。代行できる人がいない場合は、その間に止める処理と、従来の方法で対応する仕事を分け、外部の連絡先と一緒に手順書へ残します。

四日市・三重でAI導入の実装支援を相談する際も、専任者を決めてから問い合わせる必要はありません。まず減らしたい作業を一つ挙げ、「今の手順を説明できる人」「試作品を確かめられる人」「その人が対応できる時期」を伝えると、社内の負担も含めて進め方を相談できます。

社内資料を外部へ渡す範囲も、自社で承認します。月次報告なら、顧客名や個別の契約情報まで必要なのか、架空の見本で試せるかを先に相談します。外部担当者にアカウントの利用権限を与える場合は、必要な範囲の権限と、作業後に誰が権限を見直すかも決めます。

本記事は2026年10月22日時点の情報にもとづいています。各サービスの仕様・料金・利用条件は変更されることがあります。実際の業務でご判断いただく際は、各提供元の最新の公式情報をご確認ください。

この記事を書いた人

後藤恭彰

Innovation System株式会社 代表取締役

後藤恭彰は、Innovation System株式会社の代表取締役。同社は三重県四日市市を拠点に、法人向けAI講座、AI活用支援、システム・AI開発を提供しています。

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